2010年1月29日金曜日

野球で得たかったインセンティブ

プロ選手当時は、野球をしていくことで金銭的な報酬での金額は、さしてインセンティブとしては重要なものではありませんでした。

矛盾しているようかもしれませんが、今思うと、報酬は決して高くありませんので、金銭的にも余裕はなく、そして成績いかんで簡単に首を切られてしまうような選手生活でしたので、収入源を確保することは重要でもありました。

しかし、苦しいトレーニングを耐えられたのも、そして常に自身のパフォーマンスを高めることを考え続けられたのも、インセンティブを得たいという思いからです。

そのインセンティブが当時はお金ではなく、地位や名誉といわれるものであったか、というと確かに、有名になりたい、あるいはメジャーリーグでの高待遇を受けたい、といった思いも強くありましたが、何よりも、責任のかかった場面でチームの勝敗の成否を背負い高いプレッシャーの中マウンドで試合を牛耳ることが、何よりものインセンティブでした。

支配欲というようなものでしょうか。

今の仕事では決して味わえない、ピッチャー独自のものかもしれません。

そしてそれは自己満足という言葉のほうが近いかもしれません。

しかしあの状況でも野球を楽しめたのは、こういった試合そのものでのインセンティブがあったからだと思っています。