2008年5月2日金曜日

【第2節】全国レベルではかすんでしまった存在


決定的であったのが、かの「平成の怪物」こと松坂大輔(横浜高校→西武ライオンズ→ボストンレッドソックス)選手の出現である。

私の高校生としては自信のあった速球も140km/hを超えていたが、彼は甲子園の大舞台で150km/hをマークしたのである。これにはさすがに辛かった


  社会人野球のスカウトも私が2年のときは興味を示してくれていたのであるが、3年の春に松坂選手が150km/hをマークしてからというもの、甲子園に出 る各高校のエース級の投手は皆140km/hをゆうに超える速球を投げていたため、140km/hでは珍しくないという判断に変わってしまった。

 つまり、地元で一瞬騒がれただけで、私の存在も全国レベルではかすんでしまったのである。


それからというもの、甲子園→プロ野球という順路よりもアメリカ・メジャーリーグという舞台で何かを得たいと思うようになっていった。


 そこには野球を超えた「ベースボール」があるはずだと、単純にアメリカに行けばメジャーリーガーのように目の覚めるような速球を投げられるようになるんじゃないかと淡い夢を抱くようになったのである。


 ウエイトトレーニングを強烈に行い、3年の夏にはまた渡米し、高校を卒業できるだけの単位を取得すると、卒業式を待たずにアメリカへと渡るのである。


 このとき体重はウエイトトレーニングにより10キロ増え、70キロとなっていた。


 そしてこのとき悲痛にも第一の裏切りを「ベースボール」の国アメリカで洗礼として受けるのである。



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