2009年4月2日木曜日

【第4節】スカウトの解雇

フロリダに来るのも3回目にもなったものでコーチ陣とも仲良くなっていたこともあり、何気なくあのスカウトのことを聞いてみたのである。

 ・・・・・・


 スカウトを解雇されていたのである。

 甘かった・・・。

そんなことが起ころうとは当時18歳の私には思いもよらなかった。


 メジャーリーグでは16歳から選手とのプロ契約を結べるというルールが存在するのだが、焦るあまり選手の年齢をよく確認しないまま契約しようとしてしまったらしい。

特に南米系の選手は英語が不自由であるため意思確認も半端なまま契約してしまうことも多い。


 そのスカウトだけが頼りであったのに、私の中の淡い夢が崩れ去っていくのが分かった。


 しかしこのまま日本に帰るわけにはいかない、私には強烈な意地があった。

「このままどこかのトライアウトでも受けて、受かればいいんだ」

そう思い、コーチに各球団のトライアウトのスケジュールを乞うたのである。



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